ウルトラマンレオの魅力
初期のウルトラマンレオ は
MAC隊長 の “ モロボシ・ダン ” が
ウルトラセブン への変身能力を失い
地球を守ることができなくなった
代わりに
同じくマグマ星人らの攻撃により
故郷を失った L77星人の若獅子
レオ に地球防衛を託すことにします。
しかしレオは未熟で
その実力では力を増した侵略者たちに
太刀打ちすることはできず
ダン が レオ である
“ オオトリ・ゲン ” を
過酷な訓練で鍛え上げるとった
ハードなストーリーが
展開されていました。
さらに通り魔的な宇宙人により
一般人が殺害されるシーンも生々しく
防衛チームの MAC隊員 も
スーパー隊員でなく
多くの殉職者を出します。
このように
特に前半は重々しいストーリーが多く
その中にあって
女神のようなヒロイン
山口百子(演:丘野かおり)のシーンが
神々しくオアシスとなり
一時の安らぎになっている
といった展開でした。
そんな初期のレオの中で
初めて肩に力が入らない
コミカルな話が
第12話「 冒険野郎が来た!」 に
出てきます。
話の初っ端
サイマ族の衣装らしきものを
身にまとった男が
怪獣 バンゴ を
槍のみで軽くあしらい退散させます。
MAC本部に連絡を入れようとする
ゲンに対し
「報告やったら
もうしときましたで。」
と言って
先程,怪獣を槍一本で
退散させた男が現れます。
彼の名は 「 佐藤三郎 」 という
MACの隊員
(演:東隆明〈 当時:東龍明 〉)で
本部からゲンと行動するよう
命じられたそうです。
その後,ゲンとパトロール中に
再び怪獣バンゴが現れます。
そこへ2機のマッキーが駆けつけますが
怪獣を退散させることすらできません。
MACの不甲斐なさを感じた佐藤隊員は
単身で怪獣に挑み
奇策により
またもや怪獣を退散させてみせます。
物語はコミカルに描かれていますが
この「 佐藤三郎 」隊員
名前は「 鈴木一朗 」のように
平凡ですが
その槍投げから見える
イチロー の 「 レーザービーム 」 の如く
正確なコントロールと強肩といった
高い身体能力。
ビルの高さから落ちても
大怪我すらしない体の強靭さ。
そして
ZATの戦法のごとく奇抜だが
銃火器類すら使わず
MACの兵器をも凌駕する戦術。
さらに
常にマイペースといった精神力。
といったように
見る人が見れば
かなり能力の高い
手練れの隊員です。
こういった
風変りだけど優秀な人は
現実の組織にもいますが
その卓抜した能力ゆえに
組織からはみ出しがちになる
といったことも多くあります。
よくよく考えると
“ モロボシ・ダン ” も
ウルトラ警備隊時代は
他の隊員とは明らかに異質な
超人的能力ゆえに
浮いてしまっている場面も
散見されました。
そういった人材を上手に使って
チーム全体のパフォーマンス上げる
有能な管理職の方もいれば
衝突して有能な人材を殺してしまう
無能な管理職の方もいると思います。
ドラマに戻って
最後に
佐藤隊員はヒマラヤへ雪男を探しに
MACを離れます。
この際
ダン隊長 は
佐藤隊員に対し敬語 ですし
ヒマラヤへの出発を温かく見送ります。
なぜ 隊長のダン が
平隊員 である 佐藤隊員 に対して
敬語 なのかを色々と考えてみると。
まず
ダン隊長 は
佐藤隊員 の卓抜した能力に対し
一目置いており
また性格もユニークなので
ゲンに勉強させるとともに
日頃のゲンと他のMAC隊員の
ギスギスして息が詰まるような
雰囲気から
ゲンに肩の力を抜いてもらうために
佐藤隊員をゲンに付けた。
このように考えられることが一つ。
他には
佐藤隊員 はドラマの台詞から
MACアジア本部で
ゲンに付く前には
アフリカに居たと言っています。
これは
アフリカ本部から異動になったのか
あるいは
ゲンに対し “ 先輩 ” といっているので
アフリカで暮らしていたところを
MACにスカウトされたのかは
わかりません。
仮にアフリカ本部からの異動と考えると
実は地球防衛軍のキャリアは長く
ダンとは以前から面識がある
とも考えられます。
ウルトラセブン
第18話「 空間X脱出 」 で
パラシュート訓練のシーンに出ている
防衛軍隊員(演は同じく 東隆明) は
実は若かりし頃の 佐藤三郎隊員 で
ダンとは地球防衛軍時代から面識があり
その後
ダンはMACの隊長になるが
出世を望まない佐藤隊員は
MACへと組織が変わるが
平隊員としてアフリカなどで
活躍していた。
だから
地球防衛軍時代は新人だったダンが
今は上司と部下の関係だが
佐藤隊員に対し一目置いているため
あのような言葉遣いになった。
セブンとレオが連続した世界ならば
このように考えられなくもないですよね。
手柄の少ないMAC の中でも
地味ですが
佐藤隊員 の活躍は光るものがあります。
それから
MACの活躍 といえるのか
意見が分かれますが
第5話「 男と男の誓い 」 で
ダン隊長 が マッキー3号 で
ツルク星人 を蹴散らすシーンがあります。
この場面の BGM に
ウルトラセブンの歌 の
インストバージョン が流れます。
( セブンの戦闘時に流れる
少し早回しのバージョンです。)
僕は根が
“ ウルトラセブンファン ” なので
この曲が流れると
“ 電気が走る ”んですよね。
この曲はセブンが劣勢の時には
流れません。
第40話 の シルバーブルーメ の襲撃により
MACが全滅するシーン で
ダンが基地に残ってゲンを逃がす場面でも
ウルトラ警備隊や地球防衛軍に
危機が迫った時に流れる
スリリングな BGM ではなく
セブン戦闘シーンのこの曲が流れます。
裏設定では
ダンはこの後に
ウルトラの母に助けられるそうですが
僕は子供心に
この曲が流れている限り
ダンが死ぬはずはない と
信じてました。
こういったように
レオも多くの名場面があります。
そして
自分が大人になった今
“ ウルトラマンレオ ” を
改めて見ると見応えがあり
かなり面白いです。
でも 第40話 をもって
“ 百子さん ” と
“ モロボシ・ダン ” が
登場しなくなったので
“ オアシス ” と “ 支柱 ” が
無くなった感があり
少し物足りなさを感じてしまいます。
まあ
円盤生物シリーズ 大好き!
という方もいますし
別世界として切り離して見ると
いいかもしれません。
“ ウルトラマンレオ ” は
一貫した物語というのでなく
○○シリーズ といった
それぞれのパートに分けた
束の単位 で構成されていて
登場人物や
キャラクターの設定が
それぞれにあるので
“ ウルトラマンレオ ” が好き
というよりも
“ レオの何編が好き ” といった
見方になります。
この シリーズの単位 が
レオの特徴 であり
魅力の一つ に
なっているのかもしれません。
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心にウルトラマンレオ (タツミムック―検証・第2次ウルトラブーム)
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以上
読んでいただき
ありがとうございました。