★ のまどや 雑記帖 ★

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ゴジラ対メカゴジラ 批評

ゴジラ対メカゴジラ考 序説

 

怪獣特撮映画というと

一般的には怪獣の特撮シーンと

人間のドラマとで構成されています。

 

映画『 ゴジラ対メカゴジラ 』での

人間側のドラマは

宇宙人とロボット怪獣の脅威から

沖縄(日本)を守るために

伝説の守護獣キングシーサー

復活させるべく

謎解きサスペンスと

復活を阻止する宇宙人とで展開する

スパイアクション的な

構成になっています。

 

この映画の 監督 である 福田純 氏 は

「 若大将 」,コント55号のシリーズ や

「 100発100中 」 など の

監督も手掛けていて

本作品では福田監督お得意のアクションと

邪魔な陽気さが随所に見られ

ドラマ部分は福田テイスト全開です。

 

なお 「 100発100中 」

宝田明 氏 が扮する

アンドリュー星野 が活躍する作品で

ゴジラ FINAL WARS

宝田 氏の銃撃戦のシーンで

リスペクトされています。

 

怪獣の特撮部分では

ドラマ部分で

あれだけキングシーサー

引っ張っておきながら

あの弱さはないだろうと

キングシーサーファンとしては

不満が残ります。

 

キングシーサー

古代琉球のアズミ王族を守護する

伝説の神獣

ストーリーの展開上

さぞかし強いのだろうと

期待をさせつつも

満を持して出現し

メカゴジラを相手に戦いますが

アンギラスよりは善戦したものの

弱い印象が残り

影の薄い存在の怪獣に

なってしまいました。

 

個人的な思いとして

メガゴジラの強さを引き出しつつ

キングシーサーの神秘性と強さを

引き出すには

メカゴジラゴジラを戦わせ

ゴジラが劣勢になったとき

キングシーサー復活の謎が解け

「 ミヤラビの祈り 」の唄を受けて復活し

ゴジラに加勢して

メカゴジラを撃破する

というような展開をとりたい。

 

つまり

キングシーサー

ウルトラセブンの没案になった

「 宇宙人15 + 怪獣35 」に登場する

” 宇宙獣神 ゴード ” 的な存在にしたい

といったところですが・・・。

 

そういった演出は

残念ながらとられませんでした。

 

そして

キングシーサー復活のための

“ ミヤラビの祈り ” の唄・・・

これはね・・・。

 

怪獣の登場シーンにかかる曲について

過去の作品を振り返ると

モスラの唄キングコングの唄 では

南方系の原住民の祈りの画面に

曲がマッチしてます。

 

ゴジラ対メカゴジラにおいても

メカゴジラの登場シーンや

琉球風のBGMなど

佐藤勝 氏の音楽が映画全体とマッチして

功を奏しています。

 

一方

ミヤラビの祈り の唄は

舞台の沖縄にマッチした

三線(サンシン) や 三板(サンバ)

などを使った琉球音階で聞かせる

音楽か思いきや

何と

舞台とミスマッチの

謡曲のような唄であり

しかも 2番までフル

那美 役の ベルベラ・リーン

歌いきってしまいます。

 

そこまで手間かけて呼び起こしたのに

キングシーサー の

いてもいなくてもいいような

残念な存在・・・。

 

と,あくまでも

キングシーサーびいきの

個人的意見であり

「ミヤラビの祈り」の唄についても

賛否両論あるところですが

ドラマのこの部分の演出が

かなり冗長であり

もう少し何とかならなかったのかな…

といった感想を持ちます。

 

とは言え

キングシーサー

いよいよ眠りから覚めるシーンの演出は

この作品の “ キモ ” であり

監督の主張が全面に出る場面です。

 

ということは

この作品において

ミヤラビの祈りの唄 を

フルでたっぷりと聞かせたい という

福田監督の強い思い入れ があったこと。

それから

キングシーサーが強すぎてはいけない理由

あったと考えられます。

 

色々と突っ込みどころの多い作品ですが

自分はこの映画が大好きで

メカゴジラ現る 」

CDでよく聞いてましたし

たぶんゴジラ作品では

一番多く観ていると思います。

 

ただ

これは本編には

使用されていませんので

” セーフ ” なんですが

” 名曲 ” メカゴジラ現る 」

歌詞をつけて

これまた ベルベラ・リーン が歌う曲

メカゴジラをやっつけろ 」

・・・

これは ” いけません ” でしたね。

 

ミヤラビの祈りの唄が長いことと

キングシーサーが弱いことに

若干の不満はありますが

 

この映画の何がいいのかというと

メカゴジラ岸田森 氏 の

強さカッコよさ に尽きます。

 

ドラマは 岸田森

特撮は メカゴジラ

 

この二者のキャラが際立った作品

彼らに全部持って行かれた

と言っても過言ではないでしょう。

 

一番の見どころ

彼らの登場シーンと

相手を蹴散らすシーンでしょう。

 

岸田森 氏の場合は

黒のコートとサングラス姿で

主人公たちに

「フリーのルポライター

 いや

 トップ屋といった方がいいかな。

 まぁ,何分よろしく。」

引用元:映画『ゴジラ対メカゴジラ』1974年 東宝

と自己紹介する

今後の展開に何か絡んできそうな

怪しさ満点の男の登場シーン。

そして

その謎めいた男が

主人公のピンチの場面で駆けつけ

宇宙人を蹴散らした後

「インターポールの捜査官

 南原です。」

引用元:映画『ゴジラ対メカゴジラ』1974年 東宝

と,正体を明かす場面!

このシーン

何回観てもシビレるんですよね!

 

メカゴジラ の場合は

ゴジラの姿ではあるが

その鳴き声

そして

仲間であるはずの アンギラス

簡単に倒し,瀕死の状態にした

強さと残虐性が強調された

ゴジラとは違う謎の怪獣の登場。

そして

本物の ゴジラ の登場となったときに

佐藤勝 氏 の 

メカゴジラ現る 」BGM に乗って

ゴジラからメカゴジラに変化し

正体を現すシーン

それからこちらも

佐藤 氏の BGM と相まって

ゴジラキングシーサー相手に

全兵器を乱れ打ちして

これまでの最強の敵役怪獣である

キングギドラ以上の破壊力を思わせ

その凄さを印象付けるシーンは

もう鳥肌ものですね!

 

また

メカゴジラ の姿 ですが

" リベット " がたくさん付いていて

全体的に曲線の少ない

昭和時代の機械・ロボット然とした

フォルムがまたかっこいいんですよね!

 

そういえば

横山光輝 氏の 鉄人28号

はじめとする

ロボット などの 巨大メカ には

よく " 取っ手 " が描かれていましたが

" リベット "" 取っ手 "

この時代の メカ を表す記号 として

描かれることが多くありましたよね!

 

ところで

主人公の清水(演:大門正明

南原捜査官に対して

「あなたには3度助けられている。」

引用元:映画『ゴジラ対メカゴジラ』1974年 東宝

という台詞がありますが

これは

三大怪獣 地球最大の決戦

セルジナ公国の

サルノ王女(演:若林映子

警視庁の進藤刑事(演:夏木陽介

言った台詞の オマージュ でしょう。

 

また同映画で

キングギドララドン

戦闘シーンがありますが

岩を盾にして

キングギドラ の攻撃を防ぐ 

ラドン に対し

キングギドラ がその岩を

引力光線で破壊するシーンがあります。

 

これも

キングシーサー メカゴジラ

戦いのシーンで

オマージュ されている場面があります。

 

この他にも

清水たちが宇宙人の基地を

脱出する際に

ダミーの自動車を宇宙人に破壊させて

死亡した様に見せかけるシーン

同じく 福田純 監督

地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガンにも

同様のシーンがあります。

 

こういったように

このシーンは

あの作品の,あの場面のオマージュだ!

というような発見の嬉しさも

シリーズ化された作品の

楽しみ方の一つです。

 

では

ゴジラ対メカゴジラを楽しむ中

期待外れ感が否めなかった

キングシーサーが

強くなかったのは何故か?

 

この理由を

次回に考察していきましょう。

 

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以上

読んでいただき

ありがとうございました。