シルヴィ・バルタン( Sylvie Vartan )
といえば
オールドファンはもちろん
近年においても度々来日公演している
多くの方がご存知の
フランスの歌手です。
若い方でも
「 Irrésistiblement(イレジスティブルモン)」
( 日本語タイトル: あなたのとりこ )は
CMや挿入歌でよく使われているので
曲を聴けばおそらく知っているでしょう。
その他にも
「 La plus belle pour aller danser 」
( 日本語タイトル: アイドルを探せ )
などのヒット曲もあり
日本でも
『 レナウン 』の CM への出演などで
ブームが起こりました。
僕は1965年に初来日した時の
シルヴィブームの頃は
わかりませんが
当時の映像 を見ると
かなりオシャレ なんですよね。
これらはモノクロの画像ですが
非常に鮮やかに見えるんですよね。
モノクロなんだけど
色が付いているような印象なんです。
どうしてなのか考えて見ると
この当時(1960年代)の
映像をいろいろ見ていると
わかってくるものがあります
当時の映像技術からして
カラーもありましたが
TVではモノクロ映像が
まだ主流だったと思います。
なので
同じような音楽番組で
被写体をただモノクロで撮っただけ
という映像も多々あり
それらの映像を
今の時代に見たときに
曲の良さや歌手の動き,
歌唱力,カリスマ性といった
ものを除けば
ただ時代を感じる程度の
印象しか受けません。
しかし
シルヴィ・バルタンの映像 は
モノクロの特徴を
よく捉えた演出をしています。
当然ながら
モノクロ映像 には
色がなく
明度のみで表現されます。
その 黒白のコントラスト が
絶妙 なんですよね。
金髪(モノクロでは白)と
横たわっている白のソファーに対して
周りのダンサーの衣装と髪を黒くし
コントラストを巧みに使って
鮮やかさを出しています。
こうすることで
モノクロという抽象的な世界から
イメージによって
見る側の感覚から色を引き出したり
光と影を使って
対象を強調させることで
主役に注目が集まりますよね。
こういったテクニックにより
視覚から捉えられる
イメージや想像力といったものを
最大限に引き出すことが
できるのではないでしょうか。
モノクロ映像の特徴としては
カラーに比べて
モノクロには色の情報が少ないため
対象全体の形を捉えやすく
余計な情報が入ってこないので
細かい部分を省くことができます。
カラー映像の場合は
対象の情報がそのまま伝わりますので
例えば
顔のアップを撮った時に
化粧のノリとか
肌の具合などといった
演者や演出者にとって
どうでもいい余計な情報が
見ている側に入ってしまいます。
これに対して
モノクロの場合
シルヴィ・バルタン の場合
白(金髪)のきれいな髪の毛と
透き通った白い肌が
より強調され
人形のような可愛らしさを
際立たせることができます。
それから
色が無いことで
見ている各個人の
想像力を引き立てることにより
それぞれの頭の中でオリジナルの色を
形成させることもできます。
このように見ると
この当時から
モノクロの特徴を踏まえ
現在でも古さを感じさせず
より芸術的に見せることに長けた
モード性の高い演出方法は
さすがはフランスだな
といった感があります。
カラーもいいんですが
この当時の
モノクロ映像で見る
特にオシャレでいいですね!
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ありがとうございました。